2026年は、美術鑑賞者にとって特別な年になりそうです。
「14年ぶり、奇跡の来日」と評される世界的名画。「史上初の全巻全場面公開」となる国宝の絵巻物。さらに、ルーヴル、オルセー、テート、パリ国立ピカソ美術館——世界の主要美術館から、教科書級の名作が次々と日本にやって来ます。
「遠出になっても観にいきたい!」と思うほど、見逃したくない名作たち。今年、日本で観られる主要な名画展を整理してみました。
最大の目玉:14年ぶり来日「真珠の耳飾りの少女」
夏の主役は、間違いなくこれです。
フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日
- 会場:大阪中之島美術館
- 会期:2026年8月21日(金)〜 9月27日(日)
- 他地域への巡回はなし
オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館が所蔵する世界的名画《真珠の耳飾りの少女》。原則として館外への貸し出しはされない作品ですが、今回はマウリッツハイス美術館の改修工事による臨時休館に伴い、来日が実現します。
日本での展示は、約120万人を動員した2012年「マウリッツハイス美術館展」以来、実に14年ぶり!マウリッツハイス美術館長のマルティネ・ゴッセリンク氏は「日本に届けられる、おそらくは最後となるであろう特別な機会」と語っています。
そして、もうひとつの来日作品にも注目です。フェルメール最初期の作品《ディアナとニンフたち》(1653-54年頃)が、《真珠の耳飾りの少女》と並んで展示されます。これは神話を題材にしたフェルメール唯一の絵画で、室内風俗画家として知られる以前の、若き日のフェルメールに会える貴重な機会です。
そのほか、ヤン・ステーン《老いが歌えば若きが笛吹く》、パウルス・ポッテル《水に映る牛》、マリア・ファン・オーステルウェイク《装飾的な壺の花》など、17世紀オランダ絵画の重要作品も一緒に展示されます。
会期は約5週間と短く、巡回もないため、混雑が予想されます。前売りチケットは6月発売予定です。
公式サイト:https://vermeer2026.exhibit.jp/
史上初、国宝《北野天神縁起絵巻》全巻全場面公開
春の主役はこちらです。
特別展 北野天神
- 会場:京都国立博物館 平成知新館
- 会期:2026年4月18日(土)〜 6月14日(日)
- 前期:4月18日〜5月17日 / 後期:5月19日〜6月14日
教科書で目にしたことのある、国宝《北野天神縁起絵巻(承久本)》。鎌倉時代初期に描かれた全9巻、総延長80メートル超の大作絵巻です。菅原道真の生涯と神格化の物語が、絵と詞書で完成度高く描かれています。
これまで部分的な公開はあったものの、全巻全場面が一挙に公開されるのは史上初になります。令和9年(2027)に道真死去から1125年目の式年大祭「半萬燈祭」が執り行われることを記念した、特別な展覧会です。
承久本だけではありません。重要文化財の「弘安本」「光信本」「光起本」など、成立年代や筆者が異なる複数の北野天神縁起絵巻も同時に展示されます。北野天神誕生の場面が、複数の絵巻を比較しながら観られるのは研究者でも稀な機会です。
さらに、運慶の弟子・肥後定慶作の国宝《十一面観音立像》(京都・大報恩寺蔵)の展示も追加で決定されています。
会期中は、北野天満宮で「KYOTO NIPPON FESTIVAL 2026」(蜷川実花氏ら参画)や「刀剣今昔 北野刀剣×現代刀」展も同時開催されており、京都国立博物館とあわせて巡る半日コースが楽しめそうです。
公式サイト:https://kitano-tenjin2026.com/
西洋絵画の主要展
上でご紹介した二大目玉以外にも、2026年は西洋絵画の名画展が目白押しです。
ルーヴル美術館展(東京) 国立新美術館で開催予定。注目は、初来日となるレオナルド・ダ・ヴィンチ作品の出展です。詳細は今後発表予定。
クロード・モネ「風景への問いかけ」
- 会場:アーティゾン美術館(東京・京橋)
- 会期:2026年2月7日(土)〜 5月24日(日)
モネ没後100年の節目に開催される大規模展。オルセー美術館から41点のモネ作品を含む、約140点で風景画家としてのモネに迫ります。
テート美術館「YBA & BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」
- 会場:国立新美術館(東京・六本木)
- 会期:2026年2月11日(水・祝)〜 5月11日(月)
ダミアン・ハーストやヴォルフガング・ティルマンスなど、1990年代の英国美術を代表する約60名・約100作品。現代美術ファンには見逃せない展覧会です。
パリ国立ピカソ美術館展
- 会場:国立新美術館
- 会期:2026年6月10日(水)〜 9月21日(月・祝)
世界有数のピカソ・コレクションから18年ぶりに約80点が一挙来日。英国デザイナー、ポール・スミスの会場演出にも注目です。
オルセー美術館展(東京)
- 会場:東京都美術館
- 会期:2026年11月14日(土)〜 2027年3月28日(日)
「いまを生きる歓び」をテーマに、ミレー、ルノワール、モネ、ファン・ゴッホらの名作を含む約110点。年末年始の鑑賞計画に組み込みたい一展です。
スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき
- 会場:東京都美術館(その後、山口県立美術館・愛知県美術館に巡回)
- 会期:東京 2026年1月27日(火)〜 4月12日(日)
スウェーデン国立美術館の協力による、19世紀末から20世紀初頭の北欧絵画展。
日本美術の主要展
日本美術の分野でも、2026年は注目の展覧会が続きます。
神仏の山 吉野・大峯 ―蔵王権現に捧げた祈りと美―
- 会場:奈良国立博物館
- 会期:2026年4月10日(金)〜 6月7日(日)
特別展「北野天神」の会期と重なる、奈良の特別展。修験道の聖地・吉野に伝わる蔵王権現像など、日本宗教美術の精華を観られます。
加賀前田家展(仮)・空海と真言の名品 東京国立博物館で予定されている特別展。詳細は今後発表。
下村観山展 東京国立近代美術館で開催予定。関東圏では13年ぶりの大規模回顧展。狩野派、やまと絵、琳派から西洋絵画的な表現まで自在に操った日本画家の傑作150件超を紹介。大英博物館から初の里帰り作品も。
そして、2027年初頭には東京国立博物館で「源氏物語展」が控えています(2027年1月19日〜3月14日)。国宝・重要文化財を含む約250点の絵巻、画帖、屏風、工芸品などで、千年以上にわたって受け継がれてきた『源氏物語』の世界が一望できます。
観に行く前に、観た記録を残し始める
2026年だけで、これだけの教科書級の名作が日本で観られます。そして、見逃したくない展覧会も増えてきます。
そしていざ観に行ったあとで「あれ、どの展覧会で何を観たんだっけ?」と曖昧になる前に、観た作品を記録に残しておきたい——そう思ったことから、「名作の鑑賞ログ」というサービスを開発しています。
教科書級の名作をデータベース化し、観た作品をワンタップで記録できるようにする。海外名画の来日通知をメールで受け取れる。自分の鑑賞遍歴を一望できる。
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2026年は、数々の名だたる名作が日本に来てくれる稀な年です。観に行きたい展覧会の予定を組みながら、観た作品を記録する習慣も、一緒に始めてみませんか?


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